「あの、どうなさったんですか? 何かお困りでも?」
「あ、いや……」
マズイ!
やり過ごすの失敗した!
何とか誤魔化さないとと思いながら前の二人の様子を見る。
「っ!」
そして固まった。
「いっ……」
しのぶの顔が痛みを耐えるように少し歪んでいる。
香梨奈さんの表情は苛立ちを垣間見せていて、その手にある小さなナイフがしのぶの手の甲に押し付けられていた。
ナイフの先端が食い込んでいるところから、ぷっくりと赤いものが出てくるのが見える。
「っ!!」
胸にこみ上げてきた焦燥感に突き動かされるように、あたしは足を動かした。
「大丈夫よ。ごめんね、急ぐから」
心配してくれる後輩に短く伝えて二人の所に行く。
そのまま一緒に早足で歩き出した香梨奈さんは、ボソリと告げた。
「あんた馬鹿? 人質の意味分かってる?」
「っ!」
冷たく放たれた言葉にあたしは何も返せない。
失敗した。
失敗した!
さっきやり過ごせなかったことをじゃない。
失敗したのは、香梨奈さんの警戒心を強めてしまったこと。
目的地につくまでに隙を見て逃げ出そうと思っていたのに、警戒心を強めてしまった彼女は隙を見せないだろう。
それに、少しとはいえナイフをしのぶの体に当てた。
人を傷つけることを本気で躊躇わないという事だ。
「あ、いや……」
マズイ!
やり過ごすの失敗した!
何とか誤魔化さないとと思いながら前の二人の様子を見る。
「っ!」
そして固まった。
「いっ……」
しのぶの顔が痛みを耐えるように少し歪んでいる。
香梨奈さんの表情は苛立ちを垣間見せていて、その手にある小さなナイフがしのぶの手の甲に押し付けられていた。
ナイフの先端が食い込んでいるところから、ぷっくりと赤いものが出てくるのが見える。
「っ!!」
胸にこみ上げてきた焦燥感に突き動かされるように、あたしは足を動かした。
「大丈夫よ。ごめんね、急ぐから」
心配してくれる後輩に短く伝えて二人の所に行く。
そのまま一緒に早足で歩き出した香梨奈さんは、ボソリと告げた。
「あんた馬鹿? 人質の意味分かってる?」
「っ!」
冷たく放たれた言葉にあたしは何も返せない。
失敗した。
失敗した!
さっきやり過ごせなかったことをじゃない。
失敗したのは、香梨奈さんの警戒心を強めてしまったこと。
目的地につくまでに隙を見て逃げ出そうと思っていたのに、警戒心を強めてしまった彼女は隙を見せないだろう。
それに、少しとはいえナイフをしのぶの体に当てた。
人を傷つけることを本気で躊躇わないという事だ。



