気は焦るけれど、慎重にいこうと香梨奈さんに集中してついて行った。
でも――。
「あれ? 美来様?」
思いがけずあたしが声を掛けられてしまう。
「っ! あ、あなたは……」
「こんなところで何をなさってるんですか? 今はお着換えしているころなんじゃ……」
そう言って不思議そうに近付いてきたのは、いつも凝ったお菓子の差し入れをくれる調理部の一年の子だ。
「あ、その、ちょっとその前に用事が出来てしまって……」
言い訳を何とか口にしながら前の二人を見る。
しのぶは強張った表情で固まっているし、香梨奈さんは冷たい目をこちらに向けて足を止めていた。
余計なことは言わずさっさと切り上げろ、とその目が語っている。
まったく、そんな目で見なくても分かってるわよ!
「そうなんですか? 美来様の天使姿楽しみにしているので早くご用事終わらせてくださいね?」
「う、うん。ありがとう」
「……美来様?」
普通に笑顔を見せてこの場をやり過ごすつもりだった。
でも、意識がしのぶと香梨奈さんの方に向いていたこともあって表情に出さないよう気を付けるのを忘れてしまっていた。
ただでさえ顔に出やすい感情。出ないように気を付けることも忘れたあたしの笑顔は、かなり引きつったものになってしまったみたいだ。
でも――。
「あれ? 美来様?」
思いがけずあたしが声を掛けられてしまう。
「っ! あ、あなたは……」
「こんなところで何をなさってるんですか? 今はお着換えしているころなんじゃ……」
そう言って不思議そうに近付いてきたのは、いつも凝ったお菓子の差し入れをくれる調理部の一年の子だ。
「あ、その、ちょっとその前に用事が出来てしまって……」
言い訳を何とか口にしながら前の二人を見る。
しのぶは強張った表情で固まっているし、香梨奈さんは冷たい目をこちらに向けて足を止めていた。
余計なことは言わずさっさと切り上げろ、とその目が語っている。
まったく、そんな目で見なくても分かってるわよ!
「そうなんですか? 美来様の天使姿楽しみにしているので早くご用事終わらせてくださいね?」
「う、うん。ありがとう」
「……美来様?」
普通に笑顔を見せてこの場をやり過ごすつもりだった。
でも、意識がしのぶと香梨奈さんの方に向いていたこともあって表情に出さないよう気を付けるのを忘れてしまっていた。
ただでさえ顔に出やすい感情。出ないように気を付けることも忘れたあたしの笑顔は、かなり引きつったものになってしまったみたいだ。



