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 そんなやり取りをした翌朝には、珍しく朝から会えた勇人くんと明人くんに掴まっていた。

「へぇー美来は天使かぁ。絶対可愛いんだろうなぁ」

 衣装の詳細を聞いた勇人くんが可愛い顔を優しい笑みに変えて言う。

 そんな彼は、明人くんと二人で海賊の仮装をするらしい。

「海賊かぁ……定番って感じじゃないけれど、二人には似合いそうだね」

 素直な感想を口にすると明人くんが呆れ気味に口を開く。

「まぁな……。定番は生徒会と《月帝》でさっさと決めちまっただろ? 他に残っていそうな定番ってカボチャの被り物とか布被ったオバケとか……顔見えねぇやつばっかじゃん?」

 人気者だから見栄えのいい仮装をして欲しいって要望だったのに、顔が見えなきゃ意味ないだろ? と苦笑いだ。

「まあ、確かに。……じゃあ海賊だけなの? 如月さんも?」

 聞きながら、流石にそれはかなりイメージ違うなぁと思う。

「いや、如月さんはドクターやるんだってさ。なんかマッドサイエンティストっぽくて似合ってたぜ?」

 明人くんの感想に、それ褒めてるの? と突っ込むべきか悩む。

 でも、確かにドクターなら如月さんに合うと思った。