今はもう(つね)となった三つ編みのおさげと眼鏡。
 この地味な格好は継続中なので、そんないきなり可愛くとかはならないと思う。

「いや、絶対可愛くなってるって。何て言うか、ふわっとした優しい表情が凄い可愛い!」

 目をキラキラさせて語る奈々に、香もうんうんと頷いた。

「それに綺麗だよね。……やっぱりこれって、両想いの彼氏が出来たから?」

「っ!」

 香の“彼氏”という言葉にドキリと心臓が跳ねる。

 第三者の口からも告げられたことで、また別の意味で実感した。

 別に秘密にしていないし、周りからも付き合ってるって見られるんだよね。

 気恥ずかしいけれど、嫌な気分じゃあなかった。


「そっかー。幸せオーラ全開だからこんなに可愛く見えるんだね」

 奈々の言葉はからかい交じりだ。

 でも、からかわれていると分かっていても否定する気にはなれなくて……。

「……うん。幸せだよ」

 幸せを噛みしめるように微笑んだ。


 一拍置いてから惚気ちゃったな、とちょっと恥ずかしくなる。

 でも、目の前の三人は……。

「可愛い!」
「……きゅんっ!」
「やだ、久保くんに渡したくなくなってきた!」

 奈々、香、しのぶの順でそれぞれ思いを口にすると、三人一緒に抱きついてきた。