中間テストも終わったことで気が抜けた生徒たち。

 そこに知らされたハロウィンパーティーイベントにみんな浮足立っていた。

 学校側公認でイベントを楽しむのは初めてだから、ちゃちなイベントでもワクワクしている様子が分かる。


 でもあたしは全く楽しめなかった。


 原因なんて分かり切ってる。

 星宮美来。

 夏休み明けに転校してきたあの女の所為で、あたしの学校生活はメチャクチャだ。


 転校生が来るといっても別のクラスだったし、はじめは大して気にしてなかった。

 初日にチラッと見たときだって、兄妹揃って地味だなーとしか思わなかったし。

 なのに、あんな地味な女の方がいいとか……。


「ふざけてるっ!」

 あの日、保健室にあの女が入って来るまではあたしと甘い雰囲気を作っていた久保。

 別に好き合ってるわけじゃないけど、そういうことをするならある程度疑似恋愛っぽい雰囲気はあった方が盛り上がる。

 そうしてお互い気分が高まってきたところに入って来た生徒。

 いつもだったらそういう相手に気付かれないようにとスリルを楽しむところなのに……あの女だと分かった途端久保はあたしに興味を無くした。