地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 そんなあたしにしのぶは少し迷うようなそぶりを見せてから口を開いた。


「うーん、美来も知っておいた方がいいと思うし言うね」

「うん、なに?」

「久保くんってさ、人気あるんだ」

「……はぁ、まあ、分からなくはないかな」


 まあ、顔はイケメンの部類に入るもんね。

 人気があるって言われても納得する。


 まあ、不良って時点であたしは願い下げだけど。


「だから狙ってる子とか、結構いるんだ。まあ、生徒会と《月帝》、《星劉》の幹部はみんなそうなんだけどね」

「……」


 確かに、昨日会った面々はタイプは違えど揃ってイケメンだった気がする。


「でもね、そのTOPは《かぐや姫》しか見てないし、幹部のほとんどは女に興味なかったり、女嫌いだったり。もしくはテキトーに遊んでる人だったり」

「……碌なのがいないね」

「まあそれ言っちゃあ元も子もないんだけれど……。とにかく、そんな感じだから女子の名前なんて憶えてくれないのよね」

「はぁ」


 しのぶの言いたいことが分らない。

 つまりはどういうこと?


「久保くんはテキトーに遊んでる人だけれど、やっぱり女子の名前はちゃんと覚えててはくれないんだよね、呼ばれても間違ってたりとか」

「へー……ん?」


 あれ? でもさっきこいつあたしの名前……。