今回久保くんが近くにいない状況になって、会いたいと思う気持ちを知った。

 小さく胸が締め付けられるような想い。
 会いたいと求める心。

 やっぱりあたし、久保くんが好きなんだなぁって再確認した。

 そして、彼の一番側にいてもいい権利が欲しいって。

 つまり、彼女になりたいって……。


「っ!」

 気持ちをハッキリさせて、顔に熱が集まる。

 ドキドキと鼓動も早くなったみたいで、久保くんをまともに見ていられない。

 そっと視線を逸らしたけれど、久保くんは奏と話しているからあたしの変化には気づかなかった。

 少し落ち着かせてらそっと視線だけでもう一度見る。


 タレ目というほどじゃないけれど少し目じりが下がっている焦げ茶の目。
 中性的な銀星さんとは似ても似つかない男らしい整った顔。
 ふわふわな猫っ毛の金髪。

 外見で好きになったわけじゃないけれど、その姿を見てまた好きだなぁって思った。


 本当に、いつ告白してくれるんだろう?

 もうすぐ中間テストだし、その後くらいかな?

 なんて、予測を立ててみる。


 楽しみなような。
 恥ずかしいような。
 緊張するような。

 そんな思いが入り混じって、照れくさくなって……。

 まさに恋する乙女って感じだな、と自分に苦笑したのだった。