「美来……俺の女神。俺の想いをどうか受け取ってくれ」

 そう言うと、銀星はまるで何かを誓うかのように美来ちゃんの手の甲に唇を落とした。

「っ⁉」

 目を見開いて息を呑んだ美来ちゃんは、その瞳を戸惑いで揺らし俺や遥華を見た。

「なっ⁉ どっ⁉ 銀星さん、どうしちゃったんですか⁉」

「ホント、どうしたんだろうね……? 気持ち悪い」

 遥華は銀星を得体の知れないものを見るように警戒する。

 俺はあまりのことに言葉が出ない。


 助けを求めるような美来ちゃんの視線を受けつつも、こんな銀星をどう扱えばいいのか分からなかった。


 銀星……お前マジでどうしちゃったんだよ⁉


 そんな思いを胸にしたまま、この家に美来ちゃんのいる日々は終わった。