「ひぇ⁉」
「な、なんだ。レンかよ……」

 大の男二人がビクッと体を震わせたかと思うと、俺を見てホッとしたように力を抜く。

「今なんつったって聞いたんだが?」

 だが安心してもらっちゃあ困る。
 今の話が本当なら、俺は本気で怒るからな。

「な、なんだよレン? 怒ってんのか?」
「俺たちはただ若のためにだな――」

「いいから話せよ」

『へいっ!』

 俺の本気を感じ取ったのか、声をそろえて返事をした二人はやっと詳しい話をした。

 そして、その内容に俺は青ざめることになる。


 こいつらはよりにもよって、銀星を露天風呂に入ってる美来ちゃんの所に向かわせたんだそうだ。

 遥華と美来ちゃんが露天風呂に入ってるのを見て、例の遥華の札を取り外し銀星に「今露天貸し切り状態っすよ」と言って入るよう促したんだとか……。

 それで銀星が美来ちゃんを抱くなりなんなりすれば、美来ちゃんも諦めて姐さんになる覚悟を決めるんじゃないかとか考えたらしい、この馬鹿どもは。


「お、まえらぁ……なんてことしてくれてんだよ」

 思わず声が震える。

「美来ちゃんはなぁ、銀星にキスされたくらいで泣いちゃうような子だぞ⁉ だからゆっくり攻めるように銀星を誘導してたってのに!」