「っ⁉」

 視線が合って、ビックリする。

 もしかして、ずっとあたしだけを見ていたんだろうか?


 その眼差しも熱っぽくて……でも、銀星さんらしい獰猛(どうもう)さは感じないから困惑する。


「……銀星、さん?」

「……ああ」

 試しにあたしが呼び掛けたら返事があった。
 でも、本当にそれだけで動くことはないし相変わらずあたしを見つめてくるだけ。


「どうしたんだろう?」
「さぁ?」

 遥華と二人、顔を見合わせて不思議がる。

「……とりあえずのぼせちゃうし、あたしたちが出ようか?」
「……そうだね」

 銀星さんが動かないならこっちが動くしかない。

 念のためバスタオルを巻いていて良かった。
 体の線はある程度分かっちゃうけど、裸を見られるわけじゃないから。

 それでも近くを通ったら何かしてくるんじゃないかと警戒しながら銀星さんとすれ違う。

 でもやっぱり銀星さんはあたしをジッと熱っぽく見てくるだけで、何か行動を起こすこともない。

 本気で不思議に思いながら遥華と脱衣所に入る。

 ドアを閉めるとき、ポツリと銀星さんの声が聞こえた。


「……女神……」

 って。