そろそろ帰って夕飯の準備しなきゃな、という連さんの主婦のような発言でカラオケ大会は終了となった。

「今日の夕飯も楽しみにしていますね」

 またバイクで帰って来て門の前で降ろしてもらったときに笑顔で告げると、感激した連さんにまた抱きつかれそうになる。

 けれどそれは遥華と銀星さんに止められた。


「だから抱きつかないの!」
「連、てめぇいい加減にしろよ? 俺のだぞ⁉」

「いや、銀星のじゃないだろうが。まだ」

「ふふっ」

 仲の良い三人のやり取りを微笑ましく見る余裕が出てきたくらいには、あたしもこの人達に慣れてきたのかも知れない。


 初めは不良とか暴走族とか、ましてや極道なんて関わりたくないと思っていたけれど……知ってみればそこまで悪いイメージは無くなっていた。

 少なくとも高峰組の人達や《crime》の人達のことはそこまで嫌いじゃない。

 それが分かったことは、良かったなって思った。

***

「さ、美来。露天風呂に行こう!」

 夕食も終え、しばらく遥華の部屋でまったりしていたら丁度いい時間だと元気に誘われた。

「うん。……でも本当に大丈夫? 覗かれたりしない?」

 主に銀星さんに、という言葉はあえて言わなくても伝わったみたいだ。