どんなにきつく結ってもクセがつかないあたしの髪。

 (からす)の濡れ羽色とも言われる青みがかったサラサラの黒髪。

 綺麗だと昔から褒められていたから自慢の髪ではあるんだけれど、どんなにきつく結ってもクセはつかないし、寝ぐせもつかない。

 小学生の頃なんかは所謂貧乏パーマでふわふわにしている友達が羨ましかったっけ。


 この髪は美容室でパーマでも掛けなきゃストレートにしかならないんじゃないだろうか。


 今日の八神さんと如月さんには髪で気付かれそうになった。

 目の色はもちろんだけれど、髪も解いた状態にしない方が良さそうだ。


「よし」

 と、軽く掛け声を上げたあたしは今日の分の宿題をしてさっさとお風呂に入ることにした。

 今日は色々ありすぎて疲れちゃったし、早く寝てしまおう。


 明日からはしのぶと楽しい学生ライフを送るんだから。

 間違っても、不良と関わったりなんてしないんだから!


 そう決意しながらあたしはとりあえず宿題に取り掛かったのだった。