地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 するとざわついていた《crime》メンバーたちがシーンとなり、次の瞬間湧いた。


「おお⁉ 何だあの女⁉」
「総長の腕避けたぞ⁉」
「しかもあれ、髪メッチャサラサラじゃねぇ⁉」

 突然の盛り上がりにビクッとなって驚いていると、今度は今まで黙ってついて来ていた遥華が近づいて来る。

 その手には何故かワイヤレスマイク。


「はい、美来」
「え?」

 笑顔で渡されたワイヤレスマイクを思わず受け取ったけれど、どういうこと? と首をひねることしか出来ない。

 すると突然大音量の音楽が流れだした。

 周囲の人間にばかり気にしていたからスルーしていたけれど、ステージ横にある大き目のスピーカーから流れてるみたい。


「美来、歌って? あたし、美来の歌聞きたい。あ、歌詞必要?」

「え……いや、この曲なら覚えてるけど……」

 戸惑いながらも、聞き覚えのあるイントロだったからそう答える。

 ワンシーズン前に発売された人気アイドルの歌だ。
 明るくてポップな、盛り上がる歌。

 カラオケに行くたびに歌っていたし、歌詞は覚えている。


「じゃあお願いね!」

「ええ⁉」

 詳しい説明もなくやることだけ指示されて何が何だか分からない。