「説明してなくて誤解させちゃったよね? 亡くなってるとか離婚してるとかってわけじゃないから」

「そうなの?」

 実はそういうことを想像していたから否定されてちょっと安心した。
 でも、続いた言葉にどう反応していいのか困ることなる。

「姐さんは今旅行中なの。って言うか、一年のほとんどが旅行」

「は?」

「まともに帰ってくるのは正月くらいじゃないかな?」

 遥華の話では、銀星さんのお母さんは気ままに旅行に行って、お金が無くなるとその美貌で現地の人に貢がせて暮らして、飽きたら帰ってくるんだとか。

「今はラスベガスにいるって聞いたから、しばらく戻ってこないんじゃないかな?」

「へ、へぇ~……」


 ……なんて言うか、すごい人だな。
 銀星さんにそっくりだって聞くから、美貌で貢がせるっていうのは納得出来てしまうけれど。

 高峰家の意外な事実を知ったところで、あたしたちはお風呂から上がって寝る準備をした。