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 高峰家の夕食の時間は大体決まっているらしく、午後六時ころになったら食堂代わりにしているという広間に連れていかれた。

「わ……」

 広間につく前から騒がしかったから予想していたけれど、予想以上の人数がいる。


 十畳ほどの和室が二間。
 通常は襖で仕切られているっぽいところを全開にして長い座卓テーブルが等間隔で置かれている。

 そしてその席が埋まるほどの人数。

 ぐるりと見回すと端の方にヨシさんとノブさんを見つけたので会釈しておく。


 銀星さんと充成さんは上座の方で、あたしはそこから少し離れたところに遥華と一緒に座った。

「結構人がいるんだね……?」

 騒がしいから声をひそめる必要はなかったんだけれど、なんとなく気圧されてこっそり遥華に聞く。

「ああ、うん。あたしや連みたいに事情があって世話になっている人とか、舎弟や若衆でも肉体労働しか出来ないやつは稼ぎが少ないからここに寝泊まりしてるんだ」

「へぇ……。でも肉体労働って何してるの?」

 極道で肉体労働って言うとケンカとか乱暴な取り立てとか良くないものが思いつく。
 もしこの人達がそういったことをする人ならあまり関わらないようにしたいなと思って聞いた。

 でも、答えは予想外のものだった。