あたしが笑顔になったことでホッとしたのか、心から安心したような笑顔になる遥華。
 その表情にあたしもホッとして心が温かくなった。

 しのぶとはまた違った癒しを覚えて、つい「遥華って可愛いね」とこぼす。


「え?」

「メイクもいつもより控えめだからかな? 表情がよく分かって……心から笑ってるような顔してる遥華って可愛い」

 正直に、思っていることをそのまま口にすると遥華は両手を自分の胸に当て頬を紅潮させた。

「も、もう……。そんなこと言われたらドキドキしちゃうじゃん。美来、あたしをたらし込んでどうするつもりー?」

「えー? もっと仲良くなってもらおうかと画策してるー」

 照れながらも笑って冗談ぽく言う遥華に、あたしも冗談っぽく返す。
 そうして笑い合いながら夕食の時間まで二人で話をした。

 途中で聞こえた「どうしよう。マジで美来にハマるかも」という呟きはどういう意味か分からなかったけれど。