地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 八畳の和室は客間なのか、座卓と座布団があるだけのシンプルな部屋。
 といっても、床の間には立派な掛け軸と盆栽が飾られていたけれど。

 とりあえず下座にある座布団に座って一つ息を吐いた。


「それにしても本当に広い家だな……」

 玄関からそこそこ歩いたのにまだ家の端が分からない。

 流石と言うべきなのか……。


 極道の家ってみんなこんな感じなのかな?
 想像通りといえばそうだけど、全部が全部こうってわけじゃないよね。

「でも、まさか極道の家にお世話になることになるなんて……」

 呟きながらバス停からのやり取りを思い出す。

 思い返してみても後悔はない。
 遥華を傷つけるような事はやっぱり出来ないし、したくないから。


「……でも、これって奏に相談案件だよね……?」

 スマホを取り出しながら眉を寄せる。

 多分、報告はした方がいい。
 後でバレたらこっぴどく叱られるから。

 でも、確実にここに泊まるのを止めろって言われる。

 遥華のことを思うとそれだけは避けたかった。


 メッセージアプリを起動して、奏とのトーク画面を見つめてしばらく葛藤する。

 迷いに迷った結果――。

「よし、黙ってよう!」

 そう結論を出してスマホをバッグにしまった。