地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 好きな人の父親。
 普通に気に入られたいと思う。


「……ねえ遥華。あたし今変なところない? 食べカスが口についてたりとかしてない?」

「してないけど? どうしたのいきなり」

「え? いや、その……組長さんって、久保くんのお父さんでもあるんだよね……?」

 最後の方は声が小さくなってしまったけれど、遥華にはちゃんと聞こえたらしい。


「ああ、好きな人のお父さんって考えちゃったんだ?」

 そうして改めてあたしの顔を見た遥華は、にまぁと変な笑顔を浮かべた。

「え? えっと……遥華?」

「やだもう美来可愛い!」

 遥華はあたしにギュッと抱き着き、離れると嬉しそうに笑う。


「もう、あたしが男だったら絶対惚れちゃってるよー。歌ってるときはカッコイイくらい綺麗なのに、そんな可愛いところもあるとか……同性なのに胸キュンしちゃうじゃん」

「そ、そう?」

 どう受け取ればいいか分からなくて戸惑いがちに聞き返す。

 悪く見られているわけじゃないから良いのかも知れないけれど……友達に言われると何とも微妙な気分になる。


「そうだよ。……あ、ここで待っててくれる? 親父さん呼んでくるから」

「あ、うん。分かった」

 言いながら開けられた障子戸の中に入ると、遥華はすぐに行ってしまった。