「遥華! お待たせ」
「あ、美来!」

 声を掛けるとスマホ画面からパッと目を離しあたしを見る遥華。
 途端に笑顔になった彼女に、あたしまで何だか嬉しくなった。

「突然のことなのにありがとう。明後日までよろしくね」

「ううん、いいの。あたしの方こそ美来ともっと話したかったし!」

 そう言ってくれることに安心して笑顔を向ける。

「ありがとう」

「……」

 すると、何故か遥華はあたしをジッと見て黙り込んだ。


「……遥華? どうしたの?」

 小首を傾げて聞き返すと、軽く息を呑み頬を赤く染められる。

 視線を逸らされて、ますますどうしたのかと不安になった。

 そんなあたしに少しだけ視線を戻した遥華は、まるで恋をする女の子のように可愛らしい表情で口を開く。


「えっと、その。何でだろう? 今の美来、地味な格好してるのにさ……何だか凄く可愛いの」

「え?」

「そんな格好なんて関係なく、笑顔がものすごくキラキラしてるように見える」

「そ、そう?」

 自分じゃあ分からないから、聞き返すように答えることしか出来ない。

 そういえば奏にもこの格好意味なくなってきたな、とか言われたっけ。
 それでも地味な格好は続けろって言われてるけど……。

 なんて思い返していると、遥華はワクワクした表情になって口を開いた。