あたしはとりあえずしのぶに連絡を取ってみた。

「うーん……でもしのぶもこの三連休は家に帰るって言ってたしなぁ……」

 呟きながら電話を掛けると、比較的すぐにしのぶは出てくれた。

『美来? どうしたの?』

 もう家についてゆっくりしていたらしい彼女に一通りの事情を説明する。


「というわけで、泊めてもらえるところを探してるんだけど……」

『そっかー……災難だね。ここはうちに来てって言ってあげたいんだけど、あたしの部屋ってお姉ちゃんと共同でさ、泊めてあげることが出来ないんだぁ』

 ごめんね、と謝ってくるしのぶに気にしないでと返したあたしは、香と奈々にも連絡を取ってみる。


『あーごめん、無理だわ。親戚の法事でちょっと離れたとこに泊まりで行かなきゃなくて』
 と、香。

『あ、ごっめーん! 言ってなかったっけ? あたしこの連休家族旅行なんだ』
 と、奈々。

 二人にも「気にしないで」と返しながら電話を切ったあたしは、内心結構焦っていた。


 どうしよう。
 他に頼れそうな人って……。

 とりあえず連絡先を知っていて泊めてくれるかもしれない女の子に、片っ端からメッセージを送ってみた。


「なんだ? みんなダメだったのか?」

 見守ってくれていた久保くんがそう声を掛けてくれる。

「えっと……どうかな? 特に仲の良い子たちは駄目だったから、今他の子たちにメッセージ送ったところで……」


 そう言うと流石に奏も心配になってきたのか真剣に考えてくれた。