「ええ。はいそうです……はい、お願いします。……ふぅ」

 叱られて押し黙った寮生たちが見守る中、寮母さんは電話を終わらせると困ったようにため息を吐く。

 そして顔を上げみんなに話した。

「みんな断水の原因が知りたくて来たんでしょうけれど……。私だって突然出なくなって困っているのよ?」

 文句という前置きをしてこれからどうすればいいのかを告げる。

「とりあえず業者を呼んだから、原因を突き止めて直してもらいます。それまで不便だろうけれど、水道は使わないで過ごしてちょうだい」


 寮母さんの話を聞いてみんなは散って行った。

 彼女の話しぶりだと、今日中には何とかなりそうかな?って思ったから。


 あたしもとりあえず朝ごはんは出来ていたから、奏と一緒に食べてしまう。

 洗い物は出来ないけれど、桶に溜まっていた水があったので浸けておいた。

 色々と不便だったけれど、今だけと思って午前を過ごす。


 お昼ご飯はこれ以上洗い物を増やすわけにもいかないから外で食べることにした。

 久保くんも誘って、三人でファミレスで食事をする。

 午後には直っていればいいねー、なんて話していたけれど、事はそう簡単にはいかなかったみたいで……。