しかも目の色が薄いと言われたら直に確認しなきゃならないと思った。
まあ、結果は違う色だったが……。
「髪は良く見ると綺麗だったからな。目も確認しようとしたが、兄妹揃って薄茶色らしい。《かぐや姫》じゃあない」
考察を一時中断し、怜王がキッパリと告げる。
だから俺も付け加えた。
「俺も直に確認した。本人も言っていた通り薄茶色だったよ」
口にしながらその時のことを思い出す。
何が何でも眼鏡は取りたくないと言う女。
逆に怪しかった。
それに、その前に青みがかったグレーか? と俺が聞いたとき少し反応があった。
実際には違う色だったが……。
本人ではないにしろ、なにがしかの関係はあるのかもしれない。
それに、あんな地味で顔を隠している女なんて不細工に決まってるだろうと思っていたが……。
上目遣いで俺を見た様子は……何というか……可愛いと思ってしまった。
不細工だろうという先入観があったから、そのギャップで普通より可愛いと思ってしまっただけだろう。
だが、一瞬でも可愛いと思ってしまった心はなぜか収まってくれず、俺は内心焦っていたんだ。
だからあとはもうあの女のことは見なかったし、気分を変えるために雑誌なんかを読んでみたりしてしまった。
今考えると俺らしくない行動だったかもしれない。
孝紀も幹人も何も言わないから大丈夫だとは思うが……。



