他は《月帝》や《星劉》のメンバーらしき人たちがあたしに話しかけようとけん制しあってたみたいだけど、大体久保くんが近くにいたからか結局話しかけられることはなかったし。


「うん、ちょっとあたしを見る目が変わったかなってくらいで、態度まで急変する人はいないからあまり戸惑いはないかな?」

「へぇー……もっと人が押しかけて行ってるんじゃねぇかと思ってたけど、違ったんだな」

 感心したように明人くんが言うと、勇人くんが「でも分かるかも」と納得の声を出す。

「美来ってその地味な格好してても……なんつーか可愛いよな。魅力があるって言うか」

「ああ、そういえばそうだな」

 同意する明人くんに、勇人くんは続けて話す。

「前々からそういう魅力を感じてたから、容姿に驚いたとしても態度が急変したりってことがなかったんじゃないのか?」

「そ、そうかな?」

 容姿を褒められることは多かったけれど、それ以外の部分でそんな風に言ってもらえたことはほとんどないから純粋に照れた。

 気恥ずかしくて視線を漂わせていると、一緒に掃除をしていたクラスメートが控えめに声を掛けてくる。


「美来さん、まだ話が続くんならあたしたちがゴミ捨ててくるね? 美来さんは掃除道具片付けるのお願い出来る?」

「え? あ、うん。ごめんね」