「それより司狼、そろそろ約束の時間なんじゃないか?」

「あ?」

 言われて窓の外が暗くなっていることに気付く。

 記憶にあるのはまだ太陽が見えていた時間だったから、結構寝ていたらしい。


「もうそんな時間か……」

 呟いて立ち上がると、俺は孝紀を引き連れて部屋を出る。

 出たところに、丁度幹人がしゃがんで待っていた。


「あ、八神さん起きたっすか? じゃあ行きましょう」

 そう言って立ち上がり、幹人は俺の後ろに付き従う。


 今から行くのは東校舎の生徒会室手前にある会議室だ。

 月一程度の頻度で生徒会長の坂本(さかもと) 千隼(ちはや)と《星劉》の総長如月(きさらぎ) 怜王(れお)の三人で、ある人物の情報共有のために集まっている。

 幼馴染でもある俺達だが、今ではそこまで仲がいいわけではない。

 千隼とはこの集まりがなければ疎遠だし、怜王に関してはむしろ敵対している。


 それでもこの集まりだけは三人とも欠かさず出席していた。


 誰かが彼女の情報を得たかもしれない。

 誰かが自分を出し抜いているかもしれない。


 それを確認するために。