気になっていたケガ。
 今の状態はどんな感じなんだろう。


 まだ、痛いよね?
 でも血が出てる感じはないから、少しは傷塞がったのかな?


 思いつつ、包帯の巻き方に軽く眉を寄せた。

「ぐちゃぐちゃだね?」
「片手じゃやりづらくてよ」

 困ったように笑う久保くんに、あたしは当然のように提案する。

「あたしがやろうか?」
「え!?」
「しっかり巻いておかないと困るでしょう?」
「そ、そうだけどよ……」

 何故か大げさなほど驚きと戸惑いを見せる久保くんを不思議に思いながら、あたしは「じゃあちょっとお邪魔するね」と近づいた。

「っ!」

 反射的になのかドアをさらに開いてあたしが通れるように避けてくれる久保くん。


 ちょっと強引だったかな?
 でも包帯はちゃんと巻かないと傷を押さえておけないだろうし……迷惑そうなら包帯だけ巻いて帰ろう。

 そう思ってとりあえず部屋に上がらせてもらった。


「じゃあ、頼む」

 向かい合う様に座って腕を差し出してくる久保くん。
 戸惑ってはいるみたいだけど、やっぱり困ってたんだろうな。

 強引でも申し出て良かったと思いながら一度ぐちゃぐちゃな包帯を解いていった。