***

 生徒会の仕事も一通り終えて、明日もよろしくとしっかり頼まれつつ部屋に帰った。

 時刻は七時。

 あたしはすぐに財布とスマホだけを持ってコンビニに走る。


 本当はちゃんとしたお店で買いたいけれど、流石に閉まってる時間だし。

 そう思いながらスイーツコーナーでお目当てのものを買ったあたしは、帰ってくるとそのまま久保くんの部屋のインターフォンを押した。


 部屋の明かりはついてるから、いるのは確実。
 でもすぐには出てくる気配がなくて、どうしたのかな?って思った。

 もしかしたらお風呂中? と思った頃にやっとバタバタと玄関前に足音が近づく気配がする。

 ガチャリと音を立てて開けられたドアから、いつもふわふわ揺れている猫っ毛をしっとり濡らした久保くんが出てきた。


「はいはい、こんな時間に誰――って、美来?」

 軽く目を見開いて驚く彼に、あたしはコンビニの袋を軽く持ち上げて用件を告げる。

「ちょっとお見舞いにね。ごめん、お風呂中だった?」

 濡れ髪から予測して言うと、戸惑いがちに久保くんは「あ、いや」と答える。


「風呂からはもう上がってたから。ちょっと包帯巻くのに手こずってただけだ」

 その言葉に自然と彼の左腕に目が行く。