「大丈夫だ、しのぶ。美来がちゃんと止めてくれる」
奏がしのぶに寄り添い、あたしを見た。
「行けるか?」
「……うん」
本当にあたしが歌うことでみんなを止められるかは分からない。
でも、二年前は出来たことだから試してみる価値はあると思う。
あたしは少し離れたところにいる坂本先輩に視線を向ける。
「すまないけれど、頼むよ美来さん」
悲しそうに眉を寄せながら頼まれ、頷いたときだった。
「うぐぁっ!」
聞き覚えのある声で、呻くような叫びが聞こえてきたのは。
振り返り、校庭を見る。
この暗い中、大勢がいる中。
どうして彼をすぐに見つけられたのか分からない。
でも、引き寄せられるようにあたしの目は彼の姿を捕らえた。
左腕から血を流し、苦痛に耐えるような表情をしている久保くんを。
「っ!」
頭が、真っ白になった。
心臓が、嫌な感じにドクドクと早くなって……呼吸が乱れる。
良く分からない感情が渦巻いて、ただ嫌だと感じた。
「美来?」
誰かが呼ぶ声が聞こえたけど、それが誰の声なのかも分からないくらいあたしは久保くんしか見ていなかった。
吹き荒れる感情の赴くまま、あたしはステージの中央へと走る。
そして――。
奏がしのぶに寄り添い、あたしを見た。
「行けるか?」
「……うん」
本当にあたしが歌うことでみんなを止められるかは分からない。
でも、二年前は出来たことだから試してみる価値はあると思う。
あたしは少し離れたところにいる坂本先輩に視線を向ける。
「すまないけれど、頼むよ美来さん」
悲しそうに眉を寄せながら頼まれ、頷いたときだった。
「うぐぁっ!」
聞き覚えのある声で、呻くような叫びが聞こえてきたのは。
振り返り、校庭を見る。
この暗い中、大勢がいる中。
どうして彼をすぐに見つけられたのか分からない。
でも、引き寄せられるようにあたしの目は彼の姿を捕らえた。
左腕から血を流し、苦痛に耐えるような表情をしている久保くんを。
「っ!」
頭が、真っ白になった。
心臓が、嫌な感じにドクドクと早くなって……呼吸が乱れる。
良く分からない感情が渦巻いて、ただ嫌だと感じた。
「美来?」
誰かが呼ぶ声が聞こえたけど、それが誰の声なのかも分からないくらいあたしは久保くんしか見ていなかった。
吹き荒れる感情の赴くまま、あたしはステージの中央へと走る。
そして――。



