うう……どうして止まらないの?
久保くんを困らせてしまっている自覚はあるから、早く泣き止んで気にしないでって伝えないと。
そう思うのに、せき止める壁がなくなったらしい涙は全然止まってくれない。
するとしばらくオロオロしていた久保くんが決意を固めたように口を引き結んだ。
手に持ったままだったケーキの箱をあたしから取り上げ床に置き、2、3回深呼吸をすると両腕を広げる。
「え? 久保、くん?」
「……泣きたいなら胸くらい貸してやるよ」
「でも、嫌なんじゃあ……」
この間思わず泣きついてしまったときもかなりうろたえさせてしまった。
またそうやって嫌がることをさせたくはない。
「嫌じゃねぇよ。ただその……お前に触れられると緊張するだけだ」
「緊張って……ちょっと前には押し倒してきたのに?」
「そ! それは、だな。その……なんにしても、今は緊張するんだよ!」
ぶっきらぼうに叫ぶ久保くんの頬は赤い。
流石にこれは照れてるんだろうなって分かった。
「……泣くの我慢なんかするなよ。泣きたいときは泣けば良いじゃねぇか。……その、俺の前でしか泣けないって言うならいつでも胸くらい貸してやるから」
照れて、少し視線をそらしながら言ってくれる。
久保くんを困らせてしまっている自覚はあるから、早く泣き止んで気にしないでって伝えないと。
そう思うのに、せき止める壁がなくなったらしい涙は全然止まってくれない。
するとしばらくオロオロしていた久保くんが決意を固めたように口を引き結んだ。
手に持ったままだったケーキの箱をあたしから取り上げ床に置き、2、3回深呼吸をすると両腕を広げる。
「え? 久保、くん?」
「……泣きたいなら胸くらい貸してやるよ」
「でも、嫌なんじゃあ……」
この間思わず泣きついてしまったときもかなりうろたえさせてしまった。
またそうやって嫌がることをさせたくはない。
「嫌じゃねぇよ。ただその……お前に触れられると緊張するだけだ」
「緊張って……ちょっと前には押し倒してきたのに?」
「そ! それは、だな。その……なんにしても、今は緊張するんだよ!」
ぶっきらぼうに叫ぶ久保くんの頬は赤い。
流石にこれは照れてるんだろうなって分かった。
「……泣くの我慢なんかするなよ。泣きたいときは泣けば良いじゃねぇか。……その、俺の前でしか泣けないって言うならいつでも胸くらい貸してやるから」
照れて、少し視線をそらしながら言ってくれる。



