地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 ああ、そういえばしのぶと奏もこっちの大型装飾系の担当だったね。


 そんなことを思いつつ、心配を掛けない様に笑顔を見せた。

「大丈夫。ちょっと髪切られちゃったけどケガとかはないから」

「髪切られた!?」

 心配させない様にと思ったけれど、髪を切られたと言った時点でしのぶは心配してしまったらしい。


 言わなきゃ良かったかな?

 でも見れば分かっちゃうしなぁ……。


「ああ、かなちゃんと……えーっと、美来の友達の」

 次々と現れる人達に戸惑いつつ、勇人くんが声を掛ける。


「しのぶだよ。美来はもらってくね」

 有無を言わせずにしのぶはそう言ってあたしの手を引く。

「あ、ああ。頼んだ」

 勇人くんは元々ついていられないと言っていたから、そう言って労わるような目であたしを見送る。

 あたし達の後について来たのは奏だけだった。



「しのぶ? あたしは大丈夫だよ? どうしたの?」

 いつになく強引な様子のしのぶにあたしの方が戸惑う。

 ついて来ている奏も無言で、あたしはどうしたらいいのか分からない。


 連れて来られたのは物置状態になっている空き教室。

 その中の座れるくらいには空いているスペースに来ると、やっとしのぶはあたしの方を見た。