……ああ、じゃあこの人はもしかして……。
その答えを自分で出す前に、彼の後ろからひょこっと赤い頭が出てきて言った。
「なんだ? 《星劉》の総長にぶつかっておいて『ごめんなさい』だけで済ますとか。何様だよ?」
やっぱり、もう一つの暴走族の総長なんだ。
あたし、今日の運勢最悪じゃない?
自分の予測が当たっていて不運を呪っていると、赤頭の反対側から青い頭がひょこっと出てきた。
「ん? この子転入生じゃね? ほら、隣のクラスの」
髪の色が違うだけで同じ顔。
珍しい、一卵性双生児だ。
人生の中であたし達以外の双子に会ったのはお母さんの友達の子で、女の子の二卵性双生児だけだ。
普通に双子ってだけでもそんなにいないのに、一卵性双生児となるとさらに珍しい。
まあ、二卵性双生児で男女の違いがあるのにここまで顔が似ているあたし達も十分珍しいんだろうけど。
でも本当、彼らは髪色以外全く同じだった。
無意識に違いを探そうと見比べたけど、それぞれのパーツも同じだからなかなか難しい。
これは違いを見つけるのに時間がかかりそうだな、と思った。



