そのことにホッとしていると、高志くんをそっちのけで勇人くんがあたしに説明してくれる。


「昨日あの後みんなで相談してさ、高志にも美来のこと知っておいてもらった方が良いんじゃねぇかってことになったんだよ」

「え!?」

 それって、わざわざこっちから高志くんにバラすって事!?


 驚いていると、反対側に立つ明人くんが追加の説明をした。

「美来、今日の放課後から生徒会の手伝い始まるんだろ? あの生徒会長の近くで仕事するんだろ? 事情を知る奴が近くにいた方が良いんじゃねぇかってことになってよ」

「あ……」

 言われて、確かにと思う。


 転校してきてから再会した坂本さんは一見優しい王子様という感じだ。

 時折バレてるんじゃないの!? って思うような視線を投げ掛けてくるけれど、基本は優しい生徒会長……のはず。


 だから忘れていた。
 彼の本性がどんなものか。

 昨日説明するために彼のことも詳しく思い出した。
 坂本さんは、妖しく艶めいた雰囲気を持つ人だったんだ。


 そんな人とこれから一緒に仕事をしなきゃならない……。

 万が一にでもバレたら二年前の二の舞になる気しかしない。


 だから、そのための味方づくり。


「何なんだ? どういうことだ?」

 納得するあたしと違って、意味が分からないという高志くん。