でもその答えはすぐに知ることとなる。


 少しして空き教室に入ってきた久保くんは一人じゃなかった。

 何故か拘束された高志くんを連れてきていたんだ。


 そして冒頭に戻る。
 状況についていけない。

 何で高志くんも連れてきたの?
 何で高志くん腕縛られてるの?
 何でこの状況で他の皆は普通の顔してるの?


 疑問符が頭の上にいくつも浮かび上がる。

 でもそれは高志くんの方が多かったみたい。

 教室の中にいるメンバーを見渡して、訳が分からないといった表情をする。


 久保くんが教室のドアをキッチリ閉めて「もう喋ってもいいぜ」と言うと、高志くんは主に久保くんを睨みつけて口を開いた。

「じゃあ腕の拘束も解け。話をするだけなら必要ないだろう?」
 睨みつつも冷静な口調。

「いや、もうちょっとそのまんまでいてくれねぇ?」
 でも明人くんがそう言うと、高志くんは今度はこっちの方を睨みつけてきた。

「そうそう、話聞いておかしなことでもされたら困るからな」
 勇人くんが付け加えるとギッとさらに強く睨まれる。


「じゃあさっさと話せ。何なんだ、星宮兄妹まで一緒になって」

 と、奏に視線を向け続けてあたしも睨まれる。


「え? いや、あたしも何が何だか……」

 そう戸惑いを見せると、高志くんは「そうなのか?」と言ってあたしを睨むのを止めてくれた。