地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 今は夜で太陽はないから、その太陽の光を反射して光っている月を見た。

 下を見ると悲しくなるから、美しい月虹と共に鏡月を見つめる。


 吸い込まれそうな白い月。

 全ての悲しみを吸い取ってしまって。


 そう願いながら、一心に平和の旋律を口にした。

 外国の歌手らしい力強い旋律の歌。

 基本はゆったりしたバラードなのに、強く引き込まれる歌。


 その歌を歌う。


 月に向かって歌い終えると、辺りがシンと静かになっていることに気づいた。

 真剣に、願いを込めて歌いきった達成感と心地よい疲労感。
 それらに一息つくと、さっきまであった怒声が聞こえない。


 ……あれ?


 あたしは歌に集中して月ばかりを見ていた。

 そのためいつの間にかしっかり立ち上がっていたんだ。


 つまり、あたしの存在がモロバレてるってこと。


 気づかれていないと思いたいけど、ものすごく視線を感じる。

 いつからこんなに静かになったのかは分からないけど、歌い終わる頃にはシンとしてた。

 ということは、歌声は聞こえていたわけで……。


 気づかれないわけがなかった。


「おい」

 下から、明らかにあたしに呼び掛けたと思われる声がする。