「は?」
「なっ!?」
「え?」

 それぞれのトップの間抜けな声を背後に、あたしは走る。


 でも呆気に取られてくれたのは一瞬だったみたいで。

「おい! 待てよ!」

 八神さんの声が追いかけてきた。

 他にも足音が聞こえるから、みんなが追いかけて来てるのは嫌でも分かる。


 うわーん!
 また鬼ごっこなっちゃったよー!


 いつになったら寮に帰れるんだろうと思いながら、取り敢えず彼等を撒かないと帰るに帰れないということだけは分かった。

 とにかくひたすら走るしかない!


 そう思って気力を振り絞ってあたしは走った。