「とはいっても、生徒会の仕事内容も分からないんじゃあ不安だよね? だから、お試しで文化祭の間生徒会の仕事を手伝うってのはどうかな?」

「え?」

「生徒会に入るかどうかはその後で決めるってことで」

「……」


 これってドア・イン・ザ・フェイス・テクニックってやつなんじゃあ……。

 大きな要求をした後に小さな要求に切り替えればOKされやすくなるって言う……。


 でも実際生徒会長である坂本先輩にここまで言われて断るのも……。


 そうして分かっていながらまんまとテクニックに引っかかてしまって迷っている間に、第三者が発言しだした。


「あら、じゃあそのお手伝いは私の下についてもらおうかしら?」

 すぐそばにいたすみれ先輩が喜々として言い出す。


「いえ、そちらよりこちらの方が手が足りないので、私の下で頑張ってほしいです」

 すると坂本先輩の隣にいる高志くんまでそんなことを言いだした。


「え? いや、まだやるとは――」

 言ってない、と言おうとしたけれどそこに坂本先輩の言葉がかぶさってくる。


「星宮さんは人気者だね。このままだとケンカになりそうだから、僕の下についてもらおうかな?」

「え?」