「女子はお前がやれよ? 流石に女は殴れない」
「分かってるって」
こんな時でも紳士的であろうとする奏。
まあ、そんなだから前の学校ではモテモテだったんだけれど。
「こっの、ナメやがって!」
急所の攻撃を耐えた男がそう叫ぶのが合図だった。
男達を中心に、大立ち回りが始まる。
こういうのは久しぶりだからちょっと気を引き締めないと。
そう思いながらあたしは男の拳をかわし、その勢いを利用して投げ飛ばす。
すぐに捕まえようとする腕が別方向から伸ばされ、その腕の軌道をずらして鳩尾に拳を入れた。
奏も危なげなく対処している。
思っていた以上にこの男達は弱いみたいだ。
良かった。
これならこっちがケガをすることはなさそうだ。
あたしと奏は小さいころから空手を習っていた。
近所でも評判の可愛い双子と言われていたらしいから、両親が心配して習わせてくれたんだ。
そしてあたしに限って言えば、二年前からは柔道も習い始め機会があれば他の格闘技にも手を出していた。
二年前、二人の総長と生徒会長に初めて会ったあの夜。
あの夜に思い知らされたから。
あたしはもっと強くならなきゃ、自分の身すら守れないって。



