でも嫌がらせ系は大体が宮根先輩の指示で合ってたみたいだね。
証拠としては……ちょっと弱いけど十分か。
あとは変にこじれる前にこの場から去りたいところだけど……。
と、方法を考えていると。
「あら? こっちはもうはじめてたのね」
倉庫の入り口の方からまた別の声がした。
見ると昨日の派手女子が結構な人数を連れて中に入ってきたところだ。
割合は男子の方が多い。
あー……嫌な予感。
男連中はニヤニヤ嫌な笑いをしているから尚更。
そうして見ていると、彼らに無理矢理連れてこられたといった様子の人物が一人いることに気づく。
「奏!?」
その人の名を呼ぶと、奏は投げるようにこっちに突き飛ばされてきた。
「ちょっと、殴られたの?」
よく見ると左頬が赤い。
「受け身は取った。口の中も切れてないし大丈夫だよ」
そうは言うけれど、痛く無いわけじゃ無いだろうに。
アザにならないと良いけれど……。
「遅かったじゃない」
と宮根先輩が言うと。
「こいつも色々嗅ぎ回ってたからさ。まとめて仕置きしたほうが良いんじゃ無いかと思って連れてきたのよ」
派手女子がそう言って返した。