地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

「ちょっと、ケガとかしてないよね?」

 流石にケガまでは面倒見切れないと思って聞くと、そのままの表情でコクコクと首振り人形の様に頭を上下させる。

 何かおかしいけれど、大丈夫ならいいか。


「立てる?」

 と聞くと同じようにコクコク頷くので立たせて、眼鏡を取りに行く。

 って、そっか。素顔見られちゃったんだ。


 そこに思いいたって、もう一度彼女のところへ戻り口止めをした。

「あたしの素顔のことは内緒ね?」

 人差し指を口に当ててお願いする。


 あたしのことを突き落とそうとした子だから、お願いを聞いてくれるか分からなかったけれど……。

「助けてあげたんだから、それで貸し借りなしってことで……どう?」

 そうして首を傾げると、彼女はまたコクコクと首を縦に振りぎこちなくも「分かった」と言ってくれた。


 ちょっと不安だったけれど、まあ大丈夫でしょう。


 そう思って眼鏡を掛けなおそうとすると、「あの」とぎこちなく声を掛けられる。

「ありがとう。……あと、ごめんなさい」

 全く、そう思うくらいなら初めからやらなきゃいいのに……って思うけれど、それでもちゃんと謝ってくれた。

 だから――。


「もうこういう事しないでね?」

 仕方ないなって感じで笑って、許すことにする。

 そしたら彼女はまたコクコク頷くので、あたしは今度こそちゃんと眼鏡を掛けなおして教室に戻った。