地味同盟～かぐや姫はイケメン達から逃れたい～

　あの子たちの目を盗んで、綺麗な水に変えてくれたんだろう。


「っ！　でも……それでも、ごめんなさい」

　なっちゃんはしゅんとしながらまた謝ってくれる。


　しのぶといい、この子といい。

　何だかんだで優しい人もいる。

　それがちょっと嬉しいと思った。


「じゃあさ、ここの片づけはお願い出来る？　あたしは着替えなきゃないし」

　優しい人に申し訳なさそうな顔をしていてほしくない。

　あたしは少しおどけるようにそう言った。


「そ、それはもちろん！　あたしがやっちゃったんだし」

　顔を上げてハッキリそう言ったなっちゃん。

　すると丁度予鈴が鳴ってしまった。


「あ、あたし授業遅れるって言いに行かなきゃ」

　慌てるあたしになっちゃんも同じく慌てる。

「あ、あたしも先に事情言っておかないと」


「じゃあ、お願いね！」

「あ、着替え！　下着とかは保健室で新品有料だけどあるから！」

　別れて走り出すあたしに、なっちゃんはありがたい情報をくれる。

　あたしは手を振ることでお礼の意志を伝えるとそのまま今度こそ彼女と別れた。