地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

「ってめぇ、何しやがる高志!?」

 離れた久保くんがそう叫ぶのを聞いて、あたしも助けてくれた人物を見る。

 そこには、迷惑ですと顔に書いてあるような高志くんがいた。


「それはこっちのセリフだ。こんな公衆の面前でいかがわしいことをするんじゃない」

「そ、そうだそうだ! そういう事は人目のないところで美来以外の女とやれよ」

 明人くんが同調してそんなことを言うけれど、高志くんはそれを無視してあたしに視線を向ける。


「星宮さん、あなたもいかがわしい声とか出さないでくれ」

「へ? 何であたしまで!?」

 いかがわしい声とか言われても良く分からないし、大体にしてそれは全部久保くんのせいだし!

 なのに何であたしまで一緒に叱られなきゃないの!?


 助けてもらったけれど、これじゃあ素直にお礼も言えない。

「いや、高志。美来は悪くないだろ」

 勇人くんがあたしの代わりに突っ込んでくれたけど、高志くんはそれも無視した。


「とにかく、迷惑です!」

 そうキッパリ言った高志くんに、あたし達はそろって『はい……』としか言えなかった。