地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~


 生徒会用のテーブルを離れると、丁度二人が席を立ったところだった。

「明人くん、勇人くん」

 階段に向かおうとしている二人に声をかける。


「お、美来」
「良かった。今日は話せないのかと思った」

 振り返りそう言ってくれた二人に「ごめんね」と伝える。

「今日ももしかして待っててくれたんでしょう? 置いてっ行っちゃってごめんね?」

「いや良いって」
「そうそう、久保が騒いでたからなんとなくあいつから逃げてたんだなってのは分かったし」

「そう? でもごめんね」

 理解はしてもらえたけれど、だからと言って謝罪をしなくていい理由にはならない。

 だからもう一度だけそう言った。


 でも、二人は声をそろえて『だったら』とあたしの両手をそれぞれ取る。

 そしてこの間の様に持ち上げて指先にキスをした。

『今戻るときはギリギリまで一緒にいさせろよ』

 両側から全く同じく出された声はしっかり響く。

 そして指先に感じた柔らかな感触に素で照れた。


「……もう、それやめて頂戴」

 色んな意味で二人とは仲良くしたいと思っているけれど、こういうのは誤解を招くからやめた方が良いと思う。