地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 近くに来た先輩は、両手を広げその腕であたしの頭を抱えるように抱き着いた。

「きゅわわん……」

 きゅわ、は? え?

 何をされてるのか良く分からなかった。


 ただ、抱き締められてるということだけは分かる。

 先輩の大き目な胸が当たってちょっと苦しい。


 そこに助け舟を出してくれたのは生徒会長だ。


有栖川(ありすがわ)、星宮さんが苦しそうだよ?」

「あ、あら? ごめんなさい」

 そう言って少し腕を緩めてくれたけれど、離してはくれなかった。


「大丈夫ですよ? あ、チーズケーキ美味しいです。ありがとうございます」

 まだ言えてないと思ってそのままお礼を言うと。

「あーもー可愛すぎる! お持ち帰りしたい!!」

「うぐっ」

 一度は緩められた腕がまた締まった。


「あ、と……ごめんなさいね」

「い、いえ……」

 何とかもう一度緩めてもらえたけれど、やっぱり離してはくれない。


 ……うーん。これって、良く思われていないどころか滅茶苦茶好かれてない?

 でもそれなら最初の態度は何だったんだろう。


 考えて、すぐにピンときた。

 あれだ! ツンデレってやつ!


 ……でもデレるの早くない?