地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 そんな揚げ茄子が乗ったおろしそば、美味しくないわけがない。

 ああ……今日も至福のひと時をありがとう食堂のおじちゃんおばちゃん。


 出汁のきいたタレにも舌鼓を打っていると、テーブルの席がどんどん埋まって行った。


 庶務と会計の席には男子生徒。

 書記の席には三年の女子生徒が座っていた。

 書記の人は丁度あたしの隣になるから、あたしは口の中のものを飲み込んで軽く会釈をし、「お邪魔してます」とあいさつした。


「話は聞いているわ。でも本来ならあなたが座るような席ではないのだから、それだけは覚えておいて頂戴ね?」

 冷たい眼差しを向けられ、高めの鼻をツンと上向かせた彼女はそうあたしに言って座った。

 目鼻立ちがハッキリしている美人さんだ。

 鼻をツンと上げた拍子に薄めの茶髪がフワフワ揺れる。


 可愛い感じの美人さんだし、出来るなら仲良くしたいんだけれど……。

 何かあまり良くは思われてない感じかな?

 ちょっと落ち込んだけれど、万人に好かれるわけもないし仕方ない。

 何より、良くは思われていないけれど、だからと言って嫌われているわけでもなさそうだし。

 それなら今後の対応次第で変わるよね?


 あたしは彼女の言葉に「はい」と返事をしながらポジティブに考えるようにした。