地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

「んーでもどういう状況だったか話せば分かってくれるよね?」

 昨日久保くんには近づくなって言ってくれてたし。


 というわけで一人で来た食堂。

 ……これ、一般生徒用テーブルに行ってもバレないんじゃない?


 久保くんも双子もいない。

 今のうちに紛れれば一々探しには来ないかも。


 という誘惑もあったけれど、今日は生徒会のテーブルに行くように言われていた。

 暴走族のテーブルはともかく、品行方正な一般生徒としては生徒会からの指示を無視するわけにはいかない。

 そして何より。


 食堂でのいじめの定番と言えば足を引っかけて転ばせて、昼食をぶちまけてしまうとかいうやつだ。

 ……ごはん、ぶちまけるの、ダメ! 絶対!


 そういう理由から、あたしは大人しく二階席への階段を上る。

 三日目ともなると周囲の目も“何だまたか”って感じになっていた。

 同じ感じで敵意の眼差しも減ってくれればいいんだけどな……。

 まあ、無理な話か。


 今日はあたしの方が早かったみたいで、他の席にも人はあまり座っていなかった。

 とりあえず昨日如月さんに言われた通り生徒会用のテーブルに向かう。


 多分、これまでのパターンから行くと生徒会長の真正面に座ればいいと思うんだけど……。

 でも席を進められてもいないのに座るのは気が引ける。

 それに生徒会用のテーブルは他のものより大きくて、生徒会長と副会長の高志くん以外にも人が座るよう席があった。


 テーブルに役職が書いてあって、庶務、書記、会計とあった。

 まさか生徒会役員がそれだけってわけもないだろうから、他は多分違うテーブルを使ってるんだよね?


 ……いや、あたし本当にこのテーブル使って良いの?

 疑問しかない。