地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

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「……うん。まあ、これも予想の範囲内かな?」

 翌朝、いつもより早めに教室に来ると机の上にゴミが散らかっていた。

 ゴミ箱から直接出してきたみたいで紙くずとかが多い。


 あたしはそれらをゴミ箱に戻し、持ってきておいたウェットティッシュで机を拭いた。

 机の中にも何も入っていないことを確認して教科書などを入れる。


「今朝はこんなところかな?」

 シューズロッカーにも何かされた様子はなかったし、はじめとしてはこんなものってとこか。


「でもまさか、自分がこういう事される側になるとは思わなかったな……」

 まだ誰もいない教室であたしはそう(ひと)()ちた。


 あたしはどちらかというと、こういうことをする人達を懲らしめる側だった。


 小五くらいの頃だったか。

 いじめられている子を奏と一緒に助けたのがきっかけ。

 あたし達が助けてあげたいって思ったのと、そういう子たちが相談に来るようになったのが合わさって正義のヒーローみたいな気分で色々やってたっけ。


 まあ、実際はヒーローっていうより小細工をしたり暗躍したりでいじめっ子を懲らしめてただけなんだけど。


 しかもそうやって調子乗っちゃったせいでひどい目に遭ったりもしたけど……まあ、それはまた別の話だね。