「そろそろ人も多くなってきたし、もうちょっと人の少ないところで買ったもの食べませんか?」

 俺の提案に二人も賛成した。

 だから俺達のクラスの控室代わりになっている空き教室に行く。


「杉沢さん連れてっても良いの?」

 少し心配そうに言う田中に、俺は大丈夫と答える。

「別にダメとは言われてないし、見つかってダメだって言われたら謝ればいいだろ?」

「……あっそ」

 何かちょっと呆れられた気がするけど、まあ良いだろ。


 そうして空き教室に行って荷物が置いていない辺りに机と椅子を置いてくつろいだ。

「どうっすか? うちの文化祭」

 買ってきた焼き鳥や焼きそばを食べながら杉沢さんに聞いた。

 食品に関しては規制が厳しいとかで、焼き鳥なんかはすでに出来たものを温めただけとかになるけど、それでもそれなりに種類もある。

 他の出し物も、劇やお化け屋敷など定番は抑えてる感じだ。


 まともに文化祭を体験したことないと言っていた杉沢さんが楽しんでくれると良いと思った。