ヤバい、もっとキスしたい。

 その衝動を抑えるのが精一杯で、すぐに言葉が紡げなかった。


 ……沙良、その顔……。

 一気に可愛くなりすぎだろう!!


 あまりのギャップにクラクラする。

 可愛すぎてヤバイ。
 ヤバイって言葉しか浮かんでこないのがまたヤバイ。


 何とか色んな衝動を抑え込んだ俺は立ち上がって、沙良の頭を抱えるように抱きしめた。
 苦しくは無いように、優しく。

 抵抗もせずにそのまま俺の胸に顔を埋める沙良が可愛すぎる。


 取りあえず、これだけは言っておかないとな。


「なあ、沙良。お前、そんな顔俺以外の奴に見せるなよ?」
「え?」

 沙良は不思議そうな顔を少し上げて見せた。

 これはまた良く分かってないって顔だな。

 まあ仕方ないか……これからしっかり教えて行かねぇとな。


 そう考えながら、俺は今の素直な気持ちを口にした。


「好きだよ、沙良」

 チュッ

 その額に口付けを落としながら。



《了》