地味男はイケメン元総長~番外編集~

 ハッキリしているようでハッキリしない関係。

 今の俺と沙良はそんな感じだと思う。


 ただ、流石に俺自身の気持ちはハッキリしてきた。

 沙良の方は自覚してねぇから何か悔しいけど、鈍感じゃない俺は自分の気持ちに気付いてしまった。


 だって、嫌えるわけがねぇだろ。

 好きになる以外の道がなかった。


 あんな、俺の心にストレートな言葉を本当に真っ直ぐ投げつけてくる奴。

 自覚なんてしてねぇくせに、俺に対してだけ女らしい笑顔を見せる奴。


 女としてなんか見てなかったはずなのに、今では俺にとってのただ一人の女になってしまっている。



 でも、だからこそ今の関係をこの文化祭でハッキリさせようと俺は意気込んでいた。