「もえぎと仲良いんだ?」
「幼なじみだから」
「中学一緒じゃなくない?」
「小学校までは一緒だったよ」
「なるほどね〜。もえぎにも、俺が知らない時代があるんだな〜」


うーん、と感心している様子。
森沼くんともえは中学の校区が一緒。
割と同じクラスになったりしたらしいんだけど、あんまり仲良くはないみたい。
ちなみに森沼くんは片道30分の電車勢。
登校時間は常に正確。


「恭介、あんま変なこと言わないでね」
「んー?言わないけど。って言うかもえぎにそーゆーのあんまなくない?
強いて言うなら、レク大のハンドボール顔面キャッチぐらい」
「……そーゆーのを言わないでって話」


いや、可愛いけどさ。
ムッとした顔。
ベーッと下を出して、自分の教室に消えていくもえ。


……本当に、こんなだったっけ。


私の記憶的に、「なぎ〜、かまって〜」を全面的に押し出してくるタイプだったんだけど。
今はなんか、なんだろう。
ほんわかな雰囲気はそのままだけど、その、無口が強調されてる感じが強い。