私の知らない恋の話。

……なかったことに、なったら良かったのに。








◇ ◇ ◇







結局。


「メガネ買いに行こ」


もえはほんとに1位を取って来た。


それも張り出された順位表には、2位と15点差もついていて、割と余裕だったぽい。
帰ってきたテストを見せてもらったら、だいたい90〜100の数字。
あの壊滅的な数学でさえ、解法暗記で定期テストはいける、とわけのわからないことを言って97点だった。


「なんか、頑張ったんだね」
「うん、メガネ変えてほしすぎて」
「そんなに?」
「そんなに。……なぎはどうだった?」
「え、だいたい75〜85。数学だけ100。順位37とか」
「ん……なんか、強すぎじゃね?」
「授業聞いてたら。でも勉強してもこれ以上上がらないから」
「そっか」


もえは私の手を引いて、メガネ屋さんへの道をスタスタ一直線。
放課後のこの時間にメガネ、と呟きながらルンルンで歩く男がこいつ以外にいるだろうか。